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ドラマと音楽 その13 原作ありき (2004.7.23 めるドラ110初出)

スティービー・ワンダー? いやいやKyogo Kawaguchiって「桜」を
ヒットさせた河口恭吾ではありませんか!
■河口恭吾⇒ http://www.wmg.jp/kawaguchi/
『人間の証明』のタイトルロールを見ていて、なるほどねぇと思いながら、柔らかな
声質の主題歌「A Place In The Sun」に聞き惚れてしまいました。
太陽の当たる場所に出たかったであろう、ジョニー・ヘイワードに思いをめぐらせて
しまいます。原曲はもちろんスティービー・ワンダー。1966年の全米ヒット曲。
スティービーは1950年生まれですから、16才の頃の作品で希望に満ちています。
彼も黒人ですが、光と影ですよね、全く。ちなみに、『人間の証明』の小説の初出は
角川書店の月刊“野生時代”で、これもエポックメーキングな雑誌でした。文芸誌と
言うよりはエンターテイメントを強烈に感じさせた雑誌、とでも言いましょうか。
それを作った角川春樹氏が社長に就任したのが1975年。続々と角川映画が作られ、
77年に『人間の証明』が映画化。まさに70年代の証明のような作品という感じで
す。

昨今、小説や漫画の原作物のドラマ化が大流行ですが、脚本家さん達にとってはオリ
ジナルでは勝負が難しい、決して良い状態ではないと思います。亡くなられた野沢尚
さんは、原作有りでなければ企画が通らないなら自分で原作を書いてしまえ、とばか
りに小説とそのドラマ化を書きまくってましたが、何かが力つきてしまったのでしょ
うか。恐らく変化の途上にあった、彼の新しいドラマが見られないと思うと残念です。
ご冥福をお祈りします。

とはいえ、原作物は当然のことながら作品にハズレが無い物がほとんど。となると、
面白くなかったら脚本が悪いのかもという事で、脚色の力量を試される事になります。
原作があるからといって、脚本が楽に出来るということにはなりません。むしろ逆か
も。
WOWOWでゴールデンウィークに放送された、宮部みゆき原作『理由』なんて絶対
に映像化は無理と言われた作品です。
実際、サスペンスの二時間ドラマ枠での企画は随分たくさん有ったようですが、原作
の膨大な登場人物を整理し、主役を立てて主役の視点で描いていく事に宮部さんは首
を縦に振らなかった。直木賞作品であるこの作品の本意(いつもの情感溢れる作風で
はなく、極力それを避けた筆致で作者として斬新な手法だった)を外れたような企画
には乗れなかったということでしょう。大林宣彦監督のルポルタージュ風に証言を組
み立てていく、あの原作に忠実な視点が無ければ、映像化作品として陽の目を見るこ
とは無かったでしょう。そして、大林作品は見事に原作を料理し、役者さん達でさえ
ノーメイクで演じきり、リアリティーのある重厚な仕上がりとなりました。ドラマと
いうよりは映画。でも、それで正解だったのでは、と思いました。
ちなみに、宮部さんは二時間サスペンスドラマ自体は結構お好きなようです。

『理由』はそんな理由でドラマらしいドラマではありませんでしたが、この25日に
WOWOWで放送予定の、石田衣良原作『4TEEN』はどうやら素晴らしいドラマ
に仕上がっているようです。これも直木賞受賞作品。偶然にもちょうど、小説を読ん
でいて読後感の爽やかさにノックダウンされました。
出演者の菅原文太に「これは小説よりも良いだろう」と言われた事を、原作者本人が
嬉しそうに新聞に書いているのを読むと、弥が上にも期待は高まります。そして、
ファーストシーンで流れる音楽は、はっぴいえんどの「風をあつめて」。14才の少
年達の疾走感を地上波で見られないのは残念ですが、ビデオ化される事を期待しつつ。
結構、BSやWOWOWのドラマって怪作・秀作が多かったりするんですよね。
『理由』の時はWOWOWの15日間の無料体験で見たんですが、今回はやっぱり加
入するしかないと腹をくくりました。って、そんな大袈裟な事じゃない訳ですが……。

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